風もなく、おだやかな一日だった。草加のフラットな路面のおかげで自己ベストを更新できた人が多数いたと思う。
会場で司会の女性がスタート直前に「ハーフマラソンの参加者は5300人です」と言っていたように聞こえた。名簿を見ると6636人の登録がある。私の聞き間違いかもしれない。受付はないので、実際にはスタートをする前に参加者の正確な数を把握できるはずがないと思う。しかし、5300人というのは、私が参加した3つの大会の中でもっとも大きな大会である。
私は「2時間以上のランナー」のところに並んだ。
ゲストランナーの高橋尚子さんが、スタートゲートのところで手を振ってくれるというので期待して待っていたら、彼女は我々の足の遅い連中を待たずに、スタートしてしまった。まわりのランナーのため息が聞こえた。
最初の10キロあたりまでは、いつもの練習のときと同じようにゆっくり入った。息を切らさないように、周りのランナーのペースに乱されないように注意して楽なペースを維持した。完走証を見ると、10キロ地点のタイムは1時間4分35秒と書いてある。これはグロスなので、実際は1時間だ。まったくいつもと同じペースだ。
それから、いつものペースより上げて大勢の人たちを追い抜いた。どのくらい抜いたかまったく見当もつかない。数十人から100人程度であることは間違いない
15キロ地点を過ぎても余力がだいぶ残っており、「あと6キロしか楽しめないのか」と思うほど。そのころからランニングハイに入ったみたい。
最後の4キロ地点からさらにペースを上げた。ストライドを大きくし、跳ねるように走った。アシックスゲルカヤノのクッションのおかげで、大腿四頭筋の負担は少ない。キネシオテープの力も借りなかったが、膝も脹脛も痛くならない。
面白いように、さらに数百人の人を追い越していった。
そのころから、ずっとマークしていた(ペースメーカーにしていた)フォームのきれいな男性が脱落。
女性のふくよかなお尻を眺めていると、禁欲生活が続いているせいか、変な気分になりそうで、今回はなるべく見ないようにして走った。でもだいぶ堪能させてもらった。こんなに重たそうなお尻の人が、どうして私より前を走っているのだと思うとアドレナリンが出てきた。
最初からずっと緊張感のない、アロハな走りをしていたのだが、そのころからランニングハイの上に、攻撃的な走りが加わっていった。
2キロ地点から、スパートを掛けた。最後の1キロに達すると、猛ダッシュ。1キロ5分は確実に切っていた。本当に自分にこんなスピードが出せるのかと思うほどの勢いだった。
数百メートル後ろからずっとピンク色の戦隊モノのコスチュームに身を包んだ男性は絶対に追い抜きたいと思っていた。その人を含む、十数人のランナーを最後のトラックで一気に抜き去り、フィニッシュ。
ハーフ2時間というのは実際は凡庸な記録かもしれないが、数百人の「ごぼう抜き」の至福も味わえたし、ランニングハイも味わえた。走り終わっても、苦しくて倒れてしまうようなこともなく、まだまだ走れるぞというような雰囲気だった。(でもフルには出る覚悟が決められない。)
今日は、本当に楽しい、満足の行く一日を過ごすことができた。
おまけに自己ベストまで更新できた。
スタートゲートを通過するのに4分ほどかかったので、グロスタイムは2時間4分5秒だったが、ネットタイムは2時間00分15秒。惜しくも念願の2時間切りを達成できなかった。川口マラソンのときが、2時間4分55秒だったので、5分ほどタイムを縮められた。
総合順位は2471位。
しかし!
私はそもそも健康増進のためにジョギングをしているのであって、つらい思いをして記録を更新するために走っているわけではない。
友人の奥様は1時間37分だった。たいへんすばらしい記録なのに、練習の結果がでなかったと残念がっていた。
そういう能力の高い方と自分を比べて、「私はまだまだだな」なんて思えない。スポーツカーと軽自動車がどっちが速いのかを競い合ってみても意味がないし、面白くない。市民ランナーにとって、重要なのは、自分が心から満足できたかどうかだけである。他人の評価などどうでもいいのである。
高橋尚子選手を半径1.5メートルのところで見ることができた。レース後、公園のトイレに入る前に、運よく護衛のスタッフと一緒に公園の外周を走っているところに遭遇したのだ。さすがにQちゃんはエリートランナーである。ジョギングでもスピードが違うし、女性として華がある。
帰りは、道を間違えて、レイクタウンの中に入ってしまった。ついでだからビクトリアを覗いてみた。迷わず、ランニングウェアではなく、シングルバーナーのコーナーへ。ああこれでおでんでも温めて、花見を楽しみたいものだなあなどと考えていたら、顔に塩がふいていることにふと気づき、どの面下げてショッピングモールの中を歩いていたのだと恥ずかしくなって、慌ててトイレを探し、顔を洗った。モール内の暖房がきついせいか、場違いなベンチコートも恥ずかしくなってきて、いそいそと駅に向かい、家路を急いだ。
帰宅後、シャワーで汗を流していると、乳首が痛いことに気づいた。絆創膏を貼っておくのを面倒くさがって、ワセリンですませてしまったのがいけなかった。
やはりランナーなら常識なのかもしれないが、カーボローディングも、水分補給も、ストレッチも、筋肉を温めておくことも、事前の周到な練習も重要だ。経験者のアドバイスをきちんと守ることが大切なんだなとあらためて思った。
明日は自分へのご褒美に、日帰り温泉にでも行ってこようと思う。ここ1ヶ月、禁欲的な生活をしていたので、家族と楽しく過ごして、たっぷりたまったストレスを発散したい。
そうそう、靴下がどういうわけか泥だらけになってしまった。1年くらい使用してたので、全体的に生地も薄くなり、底の滑り止めもすりきれていたので、捨てることにした。
靴も風呂場で洗い、泥汚れを落とした。ランニングシューズを洗うのは今回が初めてだ。大人になってから靴を洗うというのも、もしかしたら初めてかもしれない。
過去2回のレースのあとは、帰宅後、倒れるようにベッドに直行したが、今日はその必要はなさそうだ。
書き忘れていたが、ウェストポーチに入れていたゼリー飲料は最後まで飲む必要がなかった。給水は水のみだったが、すべての地点で立ち止まって100~150ccずつ飲んだ。
昨日の夜はスパゲッティにお菓子、朝食は自家製パンを普段より多めに食べて、スタート前に、ゼリー飲料を一本飲み干し、アクエリアスもごくごくとやっておいたので、グリコーゲンもそれ以上補給する必要もないくらいだったようである。
今日は歩数計を携行して走った。
16時の時点で、33322歩。ディズニーランドを丸一日歩き回っても2万歩くらいだから、今日はずいぶん足を使った。
ふささらマラソン2009 - スポーツ写真サイト オールスポーツコミュニティ