小出義雄、『マラソンは毎日走っても完走できない』
小出義雄、『マラソンは毎日走っても完走できない―「ゆっくり」「速く」「長く」で目指す42.195キロ (角川SSC新書 83、2009/11)
仕事帰りに書店に立ち寄ったら、目立つところにこの本が置いてあったので、タイトルに惹かれてそのままチェックアウト。このごろ本を買う機会が増えた。
小出監督はグルー(導師)的な存在である。この方の言うことに従っていれば間違いはないという気がする。
ランニングを始めたばかりのころは、やたらにフォームを気にしてしまうものである。私も金哲彦コーチの本を何冊も読み、「体幹」に関する具体的かつ詳細なアドバイスがありがたがったこともあった。
しかし、そのようなアドバイスにしたがって体幹を意識ながら練習していても、不自然なフォームになってしまうので、かえって怪我をしたり、妙な筋肉に凝りが出てきたり、あるいはすぐに元通りになってしまうものである。
それはそのフォームを維持するだけの筋肉がまだないからであって、仕方がないのだ小出監督は言う。走っていくうちに筋肉がついていけば、おのずと理想的なフォームに近づいていくものだから、無理に矯正する必要がないというのが小出監督の持論。おっしゃるとおりだと思う。このような姿勢は、短期的視点に立った指導をするインストラクターやコーチのものではなく、長期的視点に立った導師のものである。それこそ我々が小出さんを「監督」と呼んでしまう所以なのだと思う。
ネタばらしになってしまうけれど、この本のポイントは、週1回、脚と心肺機能に負荷をかけるトレーニングを入れること。そうしないと、いつまでたっても速く長く走れるようにはならないということ。
暮しの手帖編集部、『暮らしのヒント集』 (暮しの手帖社、2009/4/3)
平凡な日常をちょっとだけ楽しく、ちょっとだけ刺激的にするためのヒント集である。
私は『暮らしの手帖』という雑誌のポリシーが好きだ。商品を紹介するときにバイアスがかかってしまうことを避けるために紙面に一貫して広告を入れず、経営を広告収入に頼らない姿勢とか、物事を丁寧に、シンプルに考えるという考えに大いに惹かれてしまう。
書店で、この本を偶然見つけて、適当のページを開いてみたら、たまたま260番くらいのところに当たった。
「つらいときや悲しいときには誰かと抱き合ってみてください」というヒントが書かれていた。
ここ1週間くらい誰か(?)を思いっきり抱きしめたいと思っていたのでびっくりした。まるで占いの本みたいだ。
単なる占いというより、私の「セレンディピティ」(自ら求めなくても、自分にとって意味のあるものに出会ってしまう能力)と考えるべきか?
小出監督の『マラソンは毎日走っても完走できない』という本のタイトルも、まさにいま私が感じている問題を見事に言い当てている。驚いたね。
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